Archives 12月 2023

インパクトマネジメントツールimpactlake™ ローンチ

IMPACTLAKEが提供するインパクトマネジメントツールimpactlake™では昨年10月よりβ版が試用可能となっておりましたが、その後の投資家様(機関投資家・ベンチャーキャピタル)や事業会社様(スタートアップ含む)との協業・フィードバックを経て、この度正式版としてローンチいたしました。

(クリックするとimpactlake™サイトが開きます)

背景

事業・企業がさらなる付加価値を創出し、社会における存在意義を高めていく上で、ESGへの取組みはトップアジェンダとなっています。加えて、ESGと企業価値の関係性が多角的に証明されつつある今、ESG高度化としてのインパクトマネジメントの重要性は益々高まっています。

他方で、適切なインパクトマネジメントに関しては、量的・質的観点でまだまだ課題が存在することも事実であり、IMPACTLAKEでは機関投資家様・事業会社様、その他インパクト創出主体となる方々がそうしたハードルを乗り越えていくための各種サービスをこれまでご提供しております。今後このような活動はさらに広がっていくことが予想されるなか、インパクトを創出する方々自身がそのノウハウや情報を蓄積できるようにすることで、外部委託から自走・内製化への段階的移行を可能とし、インパクトマネジメントに対する全社的な理解・意識向上を実現すべく、同ツールを開発いたしました。

本ツールの開発にあたっては、IMPACTLAKEの各種支援を通じた多様なステージ・業種におけるインパクトマネジメントの知見をベースとしつつ、実務的観点でのインパクトマネジメントの確立を目指した大手機関投資家・学術機関との協業*を経て構築した手法が反映されております。同領域では今後さらなる手法の発展や統合が進んでいくことが予想されますが、IMPACTLAKEおよびimpactlake™はこれからも実務的観点から、各種枠組みの精査と機能対応を継続的に進めてまいります。

*参考研究・論文:The Evolution of Impact Accounting and Utilization of Logic-Model in Corporate Strategy

詳細

本ツールは、フルスタックのインパクトマネジメントツールであり、主に事業会社・投資家様向けに主に以下のような機能をご提供しています。(詳細についてはお問い合わせください)

ロジックモデル構築

  • 対象となるカテゴリー、地域、インテンション(創出インパクトの方向性)等、IMPACTLAKEが区分する5つのステップに回答
  • 回答内容を基に、50以上のインパクト・カテゴリーの中からロジックモデルのベース案が作成される(Impact~Output)
  • 作成されたベースモデルに対して、可視性の高いツリー形式のUIで自社・組織のActivityなどを紐づけ、合致するロジックモデルへとアップデート

KPI管理・インパクト定量化

  • ロジックモデルで構築した各アイテムに対して、モデルと連動する形でKPIや推計ロジックの設定が可能
  • 推計ロジックについては参照する統計なども蓄積可能で、翌年度以降、同様のモデルでヒストリカルに継続管理可能(翌年度の業務負荷は約70%程削減可能)
  • 必要に応じて定量化作業をライト・クイックにアウトソースすることも可能

ダッシュボード・レポート作成

  • それぞれ一定のロジックで定量化・経済価値化されたインパクトを集計し、分類ごとに統合的に管理
  • 全体・ポートフォリオ別・インパクト別・時系列等、様々な切り口からマネジメント対象となるインパクトを把握可能
  • また、各管理対象ごとにインパクトレポート作成や定量化をワンストップで依頼可能

その他

  • ポートフォリオ管理:インパクトマネジメントの対象となる部門・ファンドなどの管理単位ごとに各種情報やアクセス権限等を切り分けたり、ポートフォリオごとにイニシアチブ(=事業・投資先などインパクト創出活動単位)を設定・管理することが可能
  • 各インパクトアイテムに関連した時系列の統計情報や、上場企業に関連したサステナビリティ情報(レポート・各種開示データ)など参考情報の参照・モデルへの紐づけが可能(※対象範囲・鮮度については順次拡張予定)

IMPACTLAKEでは、今後もインパクトマネジメントに資する事業・ソリューション開発を推進してまいります。

お問い合わせ

本リリースやimpactlake™についての不明点・確認事項は以下よりお願いいたします。

担当連絡先:contact@impactlake.co.jp

大手機関投資家とインパクトマネジメントに関する共著論文を発表

IMPACTLAKEは大手機関投資家、並びに学術機関の監修・ご協力のもと、インパクト会計の進化と経営戦略におけるロジックモデルの活用に関する共同研究成果を発表いたしました。

企業がサステナブル経営を実現するうえで、ESG高度化としてのインパクトマネジメントは今後ますます重要となっていきます。今回の共同研究は、インパクトを汎用的に定量化可能なインパクト加重会計の枠組みを活用しつつ、企業活動による波及効果の可視化や事業戦略および価値創造ストーリーの明示が可能なロジックモデルを統合した手法により、企業・投資家における実務的な観点から、インパクトマネジメントの有用性を高める試みとなります。

研究の中では、インパクトマネジメントの実務的な手法について提言すると同時に、同手法で具体的に個社分析を実施しています。その結果、今後の開示情報の拡充や負荷削減のための手法のさらなる汎用化などの課題も見えてきた一方で、現時点においても一定の有用性があることがわかりました。

IMPACTLAKEは、企業の社会的価値創出と持続的成長の両立を促進し、サステナブルな社会実現に貢献すべく、今後も同領域での各種取組・協業を継続してまいります。

論文の概要

タイトル

インパクト会計の進化と経営戦略におけるロジックモデルの活用
~インパクトを重視した企業経営とサステナブルな社会実現のための新たなマネジメント手法に関する提言~

著者(敬称略・順不同)

関野 麗於直(当社CEO)
今村 敏之 氏(野村アセットマネジメント株式会社 責任投資調査部長)
三和 裕美子 氏(明治大学商学部教授)

目次

  1. はじめに
  2. インパクトマネジメントの重要性
  3. インパクトマネジメントの既存手法とその実務的な課題
  4. 新たなアプローチとしての統合的モデルの提言
  5. 本アプローチの応用例(特定領域・企業での事例)
  6. 議論・結論

書誌情報

Social Science Research Network (SSRN)に掲載。
URL:https://papers.ssrn.com/sol3/papers.cfm?abstract_id=4645148(英語版)
※なお、本論文の日本語版については2024年初〜春を目処に国内ジャーナルに改めて掲載予定となります

お問い合わせ

本リリースについての不明点・確認事項は以下よりお願いいたします。

担当連絡先:contact@impactlake.co.jp

インパクトスタートアップ包括支援サービスについて

背景・目的

企業にとって、パーパス経営やサステナブル経営は言うまでもなくトップアジェンダとなっています。中でもスタートアップにおいては、当然ながらガバナンスなどの持続性(ESG)観点も一定考慮されるものの、相対的に見れば将来的な成長性が評価上重要であり、ESG(持続性)よりインパクト(伸び代)が圧倒的に重要​であるといえます。

一方で、スタートアップであればこそ事業への集中が必要で、重要なテーマであるにもかかわらず、​最も強い思いと理解を持った​CEOの時間がなかなか取れない・インパクトマネジメントスキルを持った担当者の採用に費用や時間をかけることは非常に難しい、などといった現実があると推察​します。

本サービスは、そのようなスタートアップに対してインパクトマネジメントに関するあらゆる機能を包括的に提供します。また、それぞれを単なるコンサルティングプロジェクト・ツールとして提供するのではなく、初期の立ち上げ段階から定着、最終的な活用まで、必要となる全ての機能をシームレスに提供することで、理想的なインパクトマネジメントの実現と定着に貢献します​。

本サービスのポイント

  • 中々まとまった取り組みが難しいインパクトマネジメントに関して、実際のプラクティスを社内で着実に進めながら社内での人材強化や体制構築までを見据えた、拡張性のある中長期な取り組みの実現
  • 大手金融機関との共同研究に基づく「投資家」視点を踏まえつつも、企業の実務的な視点に即したインパクト評価・経済価値評価
  • 評価スピードや横比較可能性・再現性・管理コスト、​さらには事業戦略との整合性を最重要視​したインパクトマネジメント手法

主にご活用いただける方

  • インパクト創出・社会課題解決を企図するスタートアップ(シード〜アーリーステージ)
  • インパクトIPOを目指すスタートアップ(ミドル〜レイターステージ)

パッケージ概要

インパクトスタートアップに必要となる下記のような機能について、包括的に提供いたします。

今後の継続的なインパクトマネジメントの基盤となる機能

  • インパクトマネジメントツールimpactlake™の提供

インパクトマネジメントの初期段階で必要となる機能

  • インパクトマネジメント推進のための組織体制・管理フローの構築​
  • 今後のインパクトマネジメントに向けた基本的な整理​

継続的なインパクトマネジメントに必要となる定常機能

  • 年次・四半期評価​(評価体系のUPDATE・洗い替え)​
  • 年次・四半期開示​レポート作成(PDF・Web)​

高度なインパクトマネジメントに資する機能

  • 新事業・取組開始時の個別案件・計画評価、PR支援等​
  • エクイティストーリーの構築(海外インパクト投資家の個別対応等)​
  • 事業戦略・研究開発戦略等の構築​
  • クリエイティブの対応(サステナビリティコンセプト動画作成、など)​

プラン

各プランの詳細及びお見積もりについては個別にお問い合わせください。

ミニマムプラン

インパクトマネジメントツールimpactlake™の提供のみ

ベーシックプラン

(上記に加えて)初期段階で必要となる機能の包括的な提供(初年度のみプロジェクトを実施。継続してツール利用)

スタンダードプラン

(上記に加えて)継続的なインパクトマネジメントに必要となる幅広い機能の包括的な提供(継続的なツール利用に加え、定常的に必要となる機能の包括的な提供)

サービス提供にあたっての基本思想

  • 本プログラムやそれを構成するツール・ソリューションが提供するのは数値管理のための箱ではなく知見とプロセス、それらの絶え間ないアップデートです​
  • 単なる整理・可視化ではなくいかに活用するかが「マネジメント」であり、インパクトスタートアップの戦略・開示・資金調達への活用を可能な限りシームレスにします
  • インパクトマネジメントはコンサルティングファーム等の外部が介在し続けるのではなく​組織の自走を実現することが最重要であり、ツール × 個別支援のバランスをフェーズごとに変えていくことで自走を実現します

お問い合わせ

お問い合わせ・詳細資料請求・ご提案の要望などは以下リンク、またはIMPACTLAKE窓口(contact@impactlake.co.jp)までお願いいたします。